公的保証制度その5:社会保障と社会保険の概要は?
日本の社会保障制度(社会保険、社会福祉、公的扶助、保健衛生など)のなかで、中核的存在となっているのが「社会保険」です。この社会保険は、一定の事故(事由)に対して保険給付が行われ、経済的保障という機能を果たしています。
具体的には、保険給付に必要な資金を予め制度加入者の拠出(保険料など)によって準備しておき、病気、負傷、身体障害、死亡、老齢、失業などの保険事故が発生した場合に、保険給付を行うことにより、制度加入者やその家族の生活を保障していこうというものです。すなわち、個人では対処できない場合における「セイフティーネット」としての役割を持ち、公的な仕組みによって給付やサービスを保障することが目的の制度といえます。
しかしながら、社会保険には、いろいろな種類があり、年金・医療・福祉などの各分野について制度が縦割りとなっているため、非常に分かりにくいのが現状です。また、社会保険の恩恵を実感できる場面は限られています。実際のところ、病気やケガ、失業などの時に、初めて自分が属している制度について実感するのではないでしょうか。また、その仕組みや手続きについても、よく分からないというのが実情ではないでしょうか。
■社会保障の基本概念
社会保障とは、社会保障制度審議会において、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民に健やかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」と定義されています。この定義は、社会保障制度の範囲や内容、対象者の変化等に応じ、時代の変化とともに変わってきます。
|社会保障の主な目的
・生活の保障、生活の安定
・個人の自立支援
・家庭機能の支援
|社会保障の主な機能
・社会的安全装置(社会的セーフティネット)
・所得再分配
・リスク分散
・社会の安定及び経済の安定・成長
■社会保障制度とは何か?
一般に社会保障制度とは、国民の生存権を確保することを目的とした国家の保障制度をいいます。
|社会保障制度の種類
社会保険、社会福祉、公的扶助、保健衛生・・・
|社会保険の位置付け
社会保障制度のなかの中核的存在で、その種類には、年金、医療保険、介護保険、労災保険、雇用保険などがある。
■社会保険の仕組みは?
一般に社会保険とは、国民の生活保障のために、疾病・老齢・負傷・失業・死亡など生活を脅かす事由が発生した時に、一定基準の給付を行う保険をいいます。
・個人では対処できない場合における社会的なセイフティーネット
・保険給付に必要な資金を予め制度加入者の拠出によって準備
・国民が、病気・負傷・身体障害・死亡・老齢・失業などの保険事故が発生した場合に、保険給付を行うことにより、制度加入者やその家族の生活を保障
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